24%増の1036万人、東南アジアも100万人突破(13年訪日外客数)
日本政府観光局(JNTO、松山良一理事長)がこのほど発表した2013年12月の訪日外客数推計値は、前年同月比25・4%増の86万4600人。これまで12月の過去最高だった12年を17万5千人上回った。1―12月の累計は前年同期比24・0%増の1036万3900人と、悲願の1千万人を達成した。
13年を振り返ると、円高是正による訪日旅行の割安感の浸透や、東南アジア諸国のビザ緩和、継続的な訪日プロモーションの効果、LCCなどの新規就航による航空座席供給量の増加などが、訪日客増加を後押し。台湾、香港、タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア、ベトナム、インド、豪州、フランスが年間累計で過去最高を記録した。
全体の4分の1を占める市場の韓国は13年累計で同20・2%増の245万6100人。07年の260万694人に次ぐ、過去2番目の人数となった。月別では3、4、6月で過去最高を記録。上期は、若年層需要の高まりなどで、同38・4%増と好調に推移したが、8月以降は原発汚染水問題の報道の影響や日韓関係の冷え込みにより、伸び率が減速、下期は同4・3%増と伸び悩んだ。
台湾の13年累計は同50・8%増の221万800人と過去最高を記録。月別では、旧正月時期の変動により減少した1月を除き、毎月の訪日旅行者数は11カ月連続で過去最高を記録している。LCCの新規就航による座席供給量の拡大、円高是正によるショッピング旅行需要の増大などで訪日数が大幅に拡大した。
中国の13年累計は同7・8%減の131万4500人と、12年、10年に次ぐ過去3番目の人数となった。月別では9―12月の4カ月で過去最高を記録。日中関係が冷え込んだあと、8月までは前年同月比で平均28%の減少が続いたが、9月以降は日本への忌避感が薄れ、前年同月比でプラスに転じた。
香港の13年累計は同54・8%増の74万5800人と、08年の55万190人を大きく上回り、過去最高を記録。月別では、旧正月時期の変動により減少した1月を除き、毎月の訪日旅行者数は11カ月連続で過去最高を記録している。主要市場のなかではタイに次いで2番目の伸び率となった。
そのほか、東南アジア諸国は、タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア、フィリピン、ベトナムの6カ国の合計で、13年累計が同48・3%増の114万8800人と、100万人の大台を突破。ビザの要件緩和や、経済発展にともなう海外旅行市場の拡大などが追い風となった。とくに7月からビザが免除されたタイとマレーシアは下期の合計がそれぞれ同96・1%増、52・6%増と高い伸びを示した。
なお、出国日本人数の13累計は同5・5%減の1747万3千人。