NAA、4月旅客数は約98%減 国内線が初めて国際線上回る
2020年5月28日(木) 配信
成田国際空港(NAA、田村明比古社長)が5月28日(木)に発表した4月の航空発着回数は、前年同月比67%減の7283回、旅客数は同98%減の6万9849人と大幅に減少した。このうち、国内線の旅客数は開港以降初めて、国際線を上回った。新型コロナウイルスの感染拡大で政府が外国からの入国を原則制限していることが主な要因だ。
航空発着回数のうち、このうち、国際線の旅客便は同85・0%減の2238回と、4月として過去最低となった。国内線は同68%減の1412回。
旅客数のうち、国際線は同98%減の6万9849人。このうち、外国人は同99%減の2万4974人。国内線は同88%減の7万1172人。
田村社長は新型コロナウイルスの影響について「最長で年内まで続く」と予測している。「コスト削減と政府から支援で危機を乗り越えたい」と話した。
□5月発着は約9割減 関係各所と準備へ
5月1日(金)~23日(土)までの国際線発着回数の速報値は、前年同期比98・7%減の1703回。出国旅客数は同98・7%減の1万1800人。路線別における最多の出国旅客数は3400人の中国線だった。
田村社長は「非常に厳しい状況。年数百億円の赤字になる可能性がある」と危機感を示した。
□追加支援を実施へ 空港は店舗と協同体
NAAは3月から6月まで実施する着陸料や施設使用料などの減免・支払猶予措置を9月まで延長する。減免額は約205億円、支払猶予額は30億円となる。
田村社長は「店舗がないと空港は成り立たない。(空港内の店舗には)雇用と事業を継続してほしい」と要望した。
着陸料と停留料は4~6月分の支払いを9月まで猶予する。航空会社のカウンターの使用料や、旅客手荷物取扱施設・搭乗橋の利用料金、リテール店舗のテナント料などは5月まで実施する支払猶予を9月まで延長する。このうち、5~7月までは料金の50%を減免する。
□利用時はマスク着用を 航空会社とも協議へ
NAAは新型コロナウイルス感染症の拡大防止対策を実施する。利用客にはマスク着用を要請するほか、カウンターへの飛沫防止用シート設置などを行う。
今後、利用客が増加した際には、ソーシャルディスタンスを保つ措置を講じる。飛行機の乗降に関わるボーディングブリッジなどの使用方法については、航空会社と協議する予定だ。