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【台湾】JATAのアウトバウンド促進協議会、第1回「B2Bウェブセミナー」から

2020年6月2日
編集部:入江千恵子

2020年6月2日(火) 配信

Webセミナー「台湾」(画面はスクリーンショット)

 日本旅行業協会(JATA)のアウトバウンド促進協議会(JOTC)は5月27日(水)、第1回「B2Bウェブセミナー」を開き、アジアやヨーロッパ地域などから13カ国・地域の観光局や機関が、新型コロナウイルス感染症の現状や今後の受け入れ態勢について発表を行った。

 台湾の状況について、台湾観光局台湾観光協会東京事務所の陳淑華(チン・ヨシカ)副所長が登壇。5月27日(水)現在、台湾での新型コロナウイルス感染者は人口2600万人に対して441例で、「44日間連続で発生なし」(陳氏)となっている。

 陳氏は「台湾と中国が距離的にも経済的にも、観光も密接な交流がある中で、441例に抑えられているのは、対策封じ込めが成功していると言えるのでは」と述べた。

 観光再開に向けた取り組みは、台湾交通部(日本の国土交通省に相当)は発表し、新型コロナウイルス感染症の対策本部に当たる中央感染症指揮センター(CDC)と協議しながら進めていくのが前提となるという。

 台湾交通部が発表したロードマップは、第1~3段階に分け、段階を踏んで徐々に規制を緩和していく。

【第1段階】(5月27日~7月31日)※日にちは状況によって適宜変更

①台湾の国内旅行業界(と医療従事関係者に)よる視察ツアーの実施

②鉄道車内におけるソーシャルディスタンスの保持。台湾鉄道(台鉄)、台湾高速鉄道(高鉄)で6月1日(月)から、車内での飲食解禁、食後のマスク着用は継続。

③端午節連休(6月25日)から立ち席や自由席の販売禁止を解除

 ①について陳氏は、CDCの陳時中指揮官が5月24日(日)に台湾最南端の県・屏東(ピントン)の宿泊施設やレストランなどの現状を視察し、その模様が報道されると、それまで約2割だったホテルの予約率が一気に高まったというエピソードを紹介した。

 6月7日(日)以降は、ソーシャルディスタンス(1.5メートル以上)の保持とマスク着用、検温の感染防止対策を取りながら、芸術のコンサートやレストラン、イベントを再開し、6月25日(木)以降は人数制限も解除する予定だという。

 プロ野球については、4月11日(土)に無観客での開催を始め、5月5日(火)に500人、5月中旬以降に2000人の観客と徐々に増やしながら実施している。

【第2段階】(8月1日~10月31日)

安心旅行と公共交通抑制の緩和拡大

①団体旅行やFIT(海外個人旅行)の宿泊、郷土色豊かな旅行キャンペーンを実施。

②8月1日(土)に台鉄、高鉄での飲食、車内販売の解禁、前後左右空席「梅花座席」販売制限を解除

③桃園空港ターミナルの利用制限を解除

④中央感染症指揮センタ―指導→マスク着用、体温測定とソーシャルディスタンスの制限解除

 ①について、公的な立場から旅行の再開を呼び掛け、旅行キャンペーンなどを実施する予定だという。個人旅行の場合、1泊1部屋1000元(日本円で約3000円)の補助、団体旅行で1人700元(同約2100円)、1団体で3万元(同約9万円)などの補助を検討。「台湾観光局主導で、旅行会社と提携した安心旅行を促したい」と陳氏は述べた。

 ②の「梅花座席」は、自分を中心に花びらのよう(前後左右)に空席を作る座席で、8月1日(土)以降は「横並びでも販売できるようにしていきたい」との考えを示した。

【第3段階】(10月1日~12月31日)

国際観光の緩和

①中央感染症指揮センタ―と外交部の評価

→感染抑制に成功した国「国際観光連盟」との交流再開

②中央感染症指揮センターの水際対策の緩和

→トランジットの制限解除や帰国者の公共交通の利用許可、クルーズの寄港を順次開始。

 陳氏は、10月1日(木)の再開を目標にしていることを強調。CDCが評価する感染が抑えられている国と提携し、双方の交流を徐々に再開していきたいとの見解を示した。「今、ニュージーランドとベトナム」の再開から始まることが検討され、「そのあとで、日本と韓国。日本も比較的払い段階でのターゲットとして取り組んでいけるのでは」と述べた。

 また、ビジネス客の渡航については、「10月以前でもケースに応じて緩和政策を取っていきたいとの声もある」と話した。

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