クルーズせとうちセミナー、「寄港地連携で、過ごし方のバリエーション拡大を」
神戸、宇野、高松、広島、門司の5港
瀬戸内海に面する神戸港、宇野港、高松港、広島港、門司港の5港は1月27日、東京都千代田区の都道府県会館で「クルーズせとうち」セミナーを開いた。今年3月に国立公園指定80周年を迎える瀬戸内海は、美しい海岸線や多島美など内外のクルーズ客船にとっても人気のエリア。それぞれの寄港地が連携して、過ごし方のバリエーションを広げる必要性などが語られた。
セミナーでは、主催者を代表して山村昭神戸市みなと総局振興課長が「魅力あるクルーズを通じて、1人でも多くの人に瀬戸内海の素晴らしさを知ってほしい」とあいさつした。続いて、5港の担当者が(1)日本の伝統文化と体験(2)歴史と郷土料理を堪能(3)愛とロマンスの地を訪ねて――の3つのテーマで瀬戸内海の魅力を紹介した。
伝統文化と体験では、神戸港は「灘の生一本」で知られ、「日本一の酒どころ」として酒蔵巡りや、六甲山からの1千万ドルの夜景、有馬温泉などを提案。宇野港は備前焼陶芸体験などを紹介した。高松港は日本一の産地として知られる香川の松盆栽や、直島女文楽、広島港は原爆ドーム・平和記念公園など、門司港は小倉織のふろしき体験などをPRした。
グルメでは、神戸港は神戸に集まる世界の多国籍料理や、洋菓子、神戸ビーフなどを紹介。宇野港はばら寿司、ママカリ寿司、そして果物王国岡山のフルーツ、高松港は讃岐うどん、広島港は広島お好み焼き、門司港はいわしや鯖などをぬか味噌で炊いた「じんだ煮」などを薦めた。
また、クルーズ商品を主に取り扱うマーキュリートラベル社長の東山真明氏は旅行会社の視点から、「大型クルーズ船客に比べ、小型クルーズ船客の方が、ショッピングよりも歴史や文化に対し強い関心を持ち、『クオリティーの高い上質な船旅』を求める傾向がある」と述べ、「寄港地の過ごし方にバリエーションが不可欠。上質な洋上ライフに加え、トータルで考えられた寄港地の楽しみ方が充実すれば最高の船旅となる。5つの寄港地の連携が必要」と強調した。
日本クルーズ客船東京支店営業部長の岸本正則氏は世界にも誇れる多島美をはじめ、橋、朝焼け・夕焼け、夜景の美しさなどを映像を交えて紹介した。