展示作品の多くが初公開 すみだ北斎美術館で9月15日から「新収蔵品展― 学芸員が選んだおすすめ50―」開く
2020年8月13日(木) 配信
展示作品の多くが初公開——。すみだ北斎美術館は9月15日(火) ~11月8日(日)まで、「新収蔵品展 ― 学芸員が選んだおすすめ50 ―」を行う。
2016年の開館以降、新たに収集した肉筆画、版画、版本の中から、北斎や門人の作品を分類ごとに同館学芸員がバランス良く50点選び、前後期に分けて展示する。
前期の注目作品は、葛飾北斎の版画「百人一首うはかゑとき 安倍仲麿」。
「百人一首うはかゑとき」とは、乳母が子供に百人一首の和歌を一首ずつ絵で解説するために描かれた大判錦絵シリーズ。本図では、安倍仲麻呂が異国の地・唐で月をみたときに、故郷を想い詠んだ歌「天の原ふりさけ見れば春日なる三笠の山に出でし月かも」を絵解きする。
後期の注目作品は、北斎の肉筆画「蛤売り図」。月明かりのもと佇む棒手振が描かれている作品で、上部には、狂歌師による賛が書き込まれている。
同作品は当初、表具や付属品の作品名を記す部分に「蜆売」と書かれていたため「蜆売り図」と考えられていた。しかし、昨年、作品を改めて調査したところ、貝殻が胡粉で表されていることから、かごの中の貝は蛤であると判明した。