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宿泊業倒産、4カ月ぶりに1ケタ 7月時点で前年通期75件を上回る 東京商工リサーチ調べ

2020年8月13日
編集部:馬場遥

2020年8月13日(木) 配信

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 東京商工リサーチがこのほど発表した2020年7月の宿泊業倒産は7件(前年同月は9件)となった。1ケタ台となったのは今年3月(6件)以来、4カ月ぶり。同社は、新型コロナウイルス禍対策の持続化給付金や、民間金融機関の返済猶予など、資金繰り支援策が行き渡り「倒産を抑制した」と見る。しかし、今年1~7月累計の倒産件数は79件に達し、19年1~12月の75件を既に上回る結果となった。

【馬場 遥】

宿泊業・旅行業の倒産状況

 宿泊業の7月の負債総額は11億1200万円(前年同月は16億6800万円)と、6カ月ぶりに前年同月を下回った。負債10億円以上の発生がなく、1億円未満が4件と、過半数を占めた。

 形態別では破産が6件、特別清算1件。

 地区別では近畿3件、東北、関東、中部、北陸が各1件となった。

 おもな倒産事例として別所観光ホテル(長野県・別所温泉)が、7月10日(金)に破産を申請。負債総額は約5億100万円となった。宴会需要を取り込み、ピーク時は約2億5500万円の売上高を計上していたものの、過去の設備投資負担が重く、たびたび赤字を計上していた。新型コロナが影響し、資金繰りの目途が立たなくなった。

 磐梯熱海温泉の老舗であるホテル金蘭荘はなやま(福島県郡山市)は、7月15日(水)に破産手続き開始決定を受けた。負債総額は約1億3800万円。設備投資が負担となり経営が悪化したのを理由に、10年8月には会社を分割し温泉旅館事業を同社が引き継いでいた。翌年には東日本大震災が発生して客足が伸び悩む。その後も減収基調が続き、今年のコロナ禍の打撃を受け、回復の見通しが立たないことから事業継続を断念した。

 一方、旅行業の7月の倒産は2件で、3カ月ぶりに前年同月と同数だった。1~7月の累計倒産件数は17件(前年同期は16件)となり、若干ながら前年を上回った。

 負債総額は2100万円で2カ月ぶりに前年を下回り、2件とも小・零細規模の倒産だった。

 「Go Toキャンペーン」が開始されたものの、東京都が除外された影響で、「効果が限定的」と同社は指摘。新型コロナの第2波を懸念する声もあり、移動や外出の自粛が再び呼び掛けられる状況では、「旅行需要の回復が阻害されかねない」(同社)と警戒する。

 同社は、「現時点で旅行業の倒産は前年並みの推移をたどっているが、廃業を選択する企業の増加も危ぶまれる状況だ」との見方を示した。

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