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「知覧からの手紙」、世界記憶遺産に(南九州市)

知覧特攻平和会館
知覧特攻平和会館

特攻隊員の遺品333点を申請

 鹿児島県南九州市は2月4日、第2次世界大戦末期に特攻基地「知覧」から飛び立った特攻隊員の遺品や遺書など知覧特攻平和会館が所蔵する資料のうち333点を「知覧からの手紙」として、ユネスコ世界記憶遺産に登録申請すると発表した。

 世界記憶遺産は人類の歴史的な文書や記録、絵画、音楽、映画など世界の資料遺産として保存・保護していくもので、世界ではナチスによるユダヤ人虐殺の悲惨さを伝える「アンネの日記」などが登録され、日本では筑豊の炭鉱のようすなどを描いた、福岡県田川市の「山本作兵衛絵画コレクション」など3件が登録されている。

 知覧特攻平和会館では特攻隊員1036人の遺品や関係資料約1万4041点が所蔵され、一般公開されているが、戦後70年近く経過し、当時を証言する人も年々減少。特攻隊員が残した家族や恋人に宛てた手紙などが、戦争の悲惨さや命と平和の尊さを世界に伝え、後世に語り継ぐ貴重な証言資料になるとして申請に踏み切った。

 申請された333点は、遺書や手紙、辞世、日記など特攻隊員の直筆サインや日付が記載されたものを厳選した。南九州市の霜出勘平市長は「二度と悲惨な戦争を起こしてはならないというメッセージを世界に発信するため申請した」と趣旨を語っている。

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