栗田事務次官就任会見 「Go To」で新しい生活様式を周知、浸透させる 国土交通省
2020年9月10日(木) 配信
国土交通省の栗田卓也事務次官は9月9日(水)に就任会見を開き、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた各業界への支援体制を含め、抱負を語った。栗田事務次官は「第2次補正予算案で、感染拡大防止対策の実証事業への支援を盛り込んでいる。また、ポストコロナでの新しい生活様式、旅行者視点での衛生管理や考え方を、Go Toキャンペーンを通じて、国民に周知、浸透させていきたい」と力を込めた。【馬場 遥】
□国民生活守る「常に緊張感を」
国交省は自然災害、事件・事故への対応など、「国民生活に直結した大きな役割を担っている」としたうえで、「平生から緊張感を持って、組織が常にふさわしい状態であるように心掛けていきたい」と抱負を語った。また、社会とのコミュニケーションも重視する構えだ。
□ガイドラインを周知していく
政府は、新型コロナ感染拡大による訪日外国人旅行者の99・9%減少という大打撃を受けて、今まで「事業継続と雇用保障の面で支援策を講じてきた」と振り返った。
一方、ウィズコロナの時代では、「経済・観光振興と感染拡大防止の両立が大前提となる」(同氏)。そのためには、「観光関連施設の安心・安全な環境づくりを必要とした」と説明した。
新型コロナ感染拡大防止のために、各関係業界へ専門家を紹介し、54団体へ41のガイドラインを作成してもらうなど、「従業員と利用者双方が安心・安全にサービスを行う、受けられるような指針を定めた」と報告。作成したガイドラインの周知に注力していく。
□Go To利用781万人「下支え効果あった」
7月22日(水)の事業開始から9月3日(木)までの時点で、約781万人の宿泊実績が上がった。今年4~6月の宿泊・旅行業者の売上が約9割減とヒアリング結果があったことから、「Go To事業がなかった場合の損害はこれ以上となっていた可能性がある」とし、「Go Toは一定の下支え効果があった」との認識を示した。
また、多くの知事から「効果があった」と感謝の声も届いたという。
10月からは、地域共通クーポン(旅行代金の15%相当額)も発行される予定だ。
今後は、国内旅行の需要を喚起し、働き方改革も含めたリモートワーク、ワーケーションなどの推進をしていく。また、インバウンドの需要回復には時間がかかるため、今を準備期間として、「魅力的な滞在コンテンツの充実をはかるなど、訪日プロモーションにも取り組む」と語った。
□交通運輸へも引き続き支援
バス、タクシーともに最近は回復傾向にあるものの、まだ厳しい状況として、事業の維持がはかられるように各業界各事業の状況を仔細に把握したうえで、関係省庁と連携しながら引き続き支援を行う姿勢をみせた。
年間100万回の発着容量を目指し、羽田・成田空港の機能強化を行う。「2030年までに訪日外国人6000万人を達成するために必要不可欠な中・長期的計画として、今後も取り組んでいく」と述べた。