全旅連、山口県で全国大会開く 情報発信の拡大へ強い意志示す
2020年9月25日(金) 配信
全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(多田計介会長、1万5402会員)は9月24日(木)、山口県下関市の生涯学習センターで第98回全旅連全国大会を開いた。今年は新型コロナウイルス感染防止のため、一部の役員など約40人が出席した。会員にはユーチューブを使ったライブ配信で会場のようすを伝えた。新型コロナウイルスの感染拡大で宿泊業界は深刻な状況が続くなか、多田会長は「これまで各都道府県の理事長までだった情報発信の対象拡大を強い意志で実行する」と決意を表明した。
多田会長で冒頭のあいさつではコロナ禍での同会の役割として、厚生労働省や観光庁、自由民主党の観光産業振興議員連盟などに事業継続の支援を要望したことを報告した。
結果として「厚労省の貸付制度の創設などの金融施策をはじめ、固定資産税とNHK受信料の減免が行われた」と実績を強調した。
一方で一部会員からは「全旅連は働いているのか」という厳しい声も挙がったという。これを受け、多田会長は「これまで本部から各県の理事長まで情報を発信していたが、より広く伝えたい」と説明した。
第23回「人に優しい地域の宿づくり賞」では、厚生労働大臣賞に、月岡温泉旅館協同組合・月岡温泉観光協会・合同会社ミライズ(新潟県)の「月岡温泉まちづくり事業『歩いて楽しい温泉街へ』」が受賞した。
表彰式では組織名と活動テーマを読み上げ、授与式などは見送った。賞状と記念品は各県の事務局に送付する。
次回の開催地は福島県に決定した。東日本大震災から10年の節目を迎え、復興状況をアピールする。
□貸付制度など紹介 コールで結束も強める
全旅連全国大会の前日には全旅連常務理事(各県理事長)・理事合同研修会を開いた。同会には各県の理事長ら約60人が参加した。
登壇者は厚生労働省の医薬・生活衛生局生活衛生課課長の成松英範氏と観光庁観光産業課課長の多田浩人氏、全旅連ウィズコロナ調査研究会の大木正治座長。
成松氏は新型コロナウイルスの影響を受けた宿泊施設に向けた貸付制度や、ガイドラインに沿った宿泊施設に感染防止対策取組店証のステッカーを配布することを紹介した。
多田氏は、政府系金融機関の資金繰り支援策と雇用調整助成金の特例延長のほか、Go Toトラベル事業の制度などを説明した。
8月24日(月)に発足したコロナ禍における組合員の資金調達や予約状況を調査する全旅連ウィズコロナ調査研究会(大木正治座長)は、8月31日(月)~9月17日(木)までに実施したアンケートの回答結果を発表した。
これによると、20年8月の売上金額の調査が前年に比べて50%に満たない会員は54・6%に上ることが分かった。さらに、現在の予約状況が続いた際に許容できる期間については「年内いっぱい」が30・2%を占め、厳しい状況が浮き彫りになった。
今後の活動として、「9月のシルバーウィーク多くの宿泊施設で予約数が増加している」(大木座長)として、具体的な状況を集計する。回答結果を踏まえて、厚労省や観光庁、自由民主党の観光産業振興議員連盟に要望書を提出する考えだ。
最後には、参加者全員で「頑張ろうコール」を行い、結束を強めた。