JTB、学校にNGO派遣 新プロジェクト始まる
2020年10月5日(月) 配信
JTB(山北栄二郎社長)は9月1日(火)、ジャパン・プラットフォーム(JPF)と連携し、学校とNGOをつなぎ、探求学習をサポートする17 GOALs PROJECTを開始した。JTBが学校からSDGsを教育する講師の派遣依頼を受け、世界の社会課題の解決に取り組むJPFが、加盟する44のNGOから講師を派遣する。生徒には加盟NGOの活動内容と現実味のある学びの場を与える。
参加費は、JTBが受け取る代金のうち1%を学校がJPFへ寄付し、活動費に充てる。
9月18日(金)には、プロジェクトの第1弾となる授業が、中央大学付属高校(東京都小金井市)で行われた。講師はJPFの顧問でNEWSZEROの元メインキャスターの村尾信尚氏が務めた。授業は基調講演と座談会を開催し、最後には鼎談を実施した。
基調講演のテーマは「新しい時代の君たちへ」。初めに村尾氏はニュースキャスターの経験から、「ニュースには、伝える人の主観が込められている。さまざまなテレビや新聞を見てほしい」と呼び掛けた。
Go Toトラベルキャンペーンと今年4月に10万円の特別定額給付金が配られたことにも触れた。村尾氏は「財源には皆さんが払った税金が活用されている。政治に興味を持ち、意見を伝えるべき」と訴えた。
座談会では、選択授業でSDGsを学ぶ生徒が村尾氏に質問した。
2年生の女子生徒は基調講演に関連して「中立的なメディアはありますか」と問い掛けた。
村尾氏は「(存在するか)分からない。私は中立を心掛けたが、難しい。色々なニュースに触れて中立を掴んでほしい」と応えた。
鼎談には村尾氏とJTBの檜垣克己執行役員が登壇した。司会は同高校の古澤康久教頭が務めた。テーマは「これからの教育に求められること」とした。
冒頭、古澤教頭はJTBの檜垣執行役員に企業の立場から教育に求めることを聞いた。
檜垣氏は「生徒には世の中の環境が激変するなか、自分は何ができるかを明らかにし、実行する力が求められる」と意見を述べた。
村尾氏には教育現場でのメディア活用方法を尋ねた。
村尾氏は「生徒に世の中の出来事を伝えるときには、『一部の人が意見を述べていると思ってみてほしい』と教えてほしい」と話した。