ブッキング・ドットコム、夏の国内旅行傾向 コロナ禍で近場が人気に
2020年10月6日(火)配信
ブッキング・ドットコム・ジャパン(東京都港区)は10月5日(月)、日本在住者の予約データを分析し、2020年夏の旅行動向を発表した。新型コロナウイルス感染症で海外旅行が難しくなってしまった一方で、近場の国内旅行の需要が高まったことを明らかにした。
調査は、20年6~8月に同社の宿泊予約サイトで旅行した日本在住者を対象に実施した。予約をした地点から宿泊施設までを直線距離に換算した場合、今年は平均543キロ。19年同時期は、1回の旅行で平均1575キロも移動したことから旅行時の移動距離が短くなったことがわかった。
また、日本旅行者が移動した総距離のうち、20年は89%が日本国内での移動だった。一方、19年の国内の移動割合は23%で、ほとんどが海外旅行に費やしたものだということがわかった。20年は国内移動の距離が前年に比べ約66%増加し、日本旅行者が国内旅行を少しずつながらも楽しんでいることが伺える。
20年6~8月までと19年同時期を比較し、最も予約数の多かった日本の目的地も比較した。国内でとくに人気が高かったのは、静岡県下田市、北海道富良野市、静岡県伊東市、東京都立川市、そして神奈川県鎌倉市。今夏は日本旅行者の傾向として、静かな海辺や美しい自然の景観といった日本の昔ながらの自然や温泉などに注目が高まった。同社はこのような地域へ旅行することで、日本の魅力を再発見したものと考えている。
さまざまな地方への旅行人気が高まり、日本の良さが再確認された一方で、日本旅行者で最も予約数が多かった都市としては、東京、大阪、京都、福岡、名古屋が上位に選ばれたと伝えた。長年にわたり多くの人から高い評価をもらっている都市部の定番スポットも、依然として高い人気を保っているとされる。
宿泊施設のタイプ別でみると、前年よりも別荘やヴィラなどの民泊施設や、旅館が選ばれる傾向が見受けられる。ソーシャルディスタンスを保ちながら、自分のペースでゆっくりと滞在を楽しめる点が評価された。なお、19年終盤の同社調査によると、「民泊を利用したい」と回答した人は16%で、76%が従来型のホテルに泊まりたいと回答。このことからも、新型コロナの影響で旅行者の考え方が大きく変化したことが分かる。