相鉄バスなど、運転席無人のバス 自動運転による営業実験へ
2020年10月6日(火)配信
相鉄バス(菅谷雅夫社長、横浜市西区)と群馬大学、日本モビリティは10月5日(月)、遠隔監視・操作による大型バスの自動運転実証実験を行った。7月に行った実証実験の成功を受けて実施する今回は日本で初となる、乗客を乗せて、運転席を無人とした自動運転の営業運行を実施した。
運行区間は、よこはま動物園ズーラシア(同市旭区)正門~里山ガーデン(同)正面入口間の全長約900㍍。大型2種運転免許保有の遠隔運転士と車内保安要員の監視のもと、最高時速20㌔で横浜市の管理道路を複数回往復した。
車両には、遠隔で監視・操作する運転士が車内と同様の環境を得られるように、カメラやマイク、スピーカーを装備。車両に取り付けられた遠隔監視用のカメラの映像表示やマイクでの集音、スピーカーによる車内外への呼び掛けができる。ハンドル型コントローラも備え、遠隔地から緊急時の操作などが可能だ。
相鉄バスの菅谷社長は「高齢化社会になるほどバス需要が高まってくる。ずっと走らせるためにも技術開発が必要」と強調。一方でバス運転士の高齢化問題にも触れ、運転の安全管理を自動運転技術と分担することで、将来的に運転要員の確保にもつながるとの見解を示した。
同社らは、今後もさまざまな実証実験を通じて自動運転に関する社会受容性を向上させるとともに、公共交通機関網強化の可能性を検証。限定領域内での運転をすべてシステムが実施する、大型バスの自動運転「レベル4」による営業運転を目指す。
なお、10月14日(水)にも遠隔監視・操作による自動運転の実証実験を実施。さらに、10月6日(火)・7日(水)と12日(月)~14日(水)には、昨秋に続いて2回目となる運転席有人による自動運転バスを営業運行する。