ベジタリアンを研究、誰もが食を楽しめる街に(東京・浅草)
外国人旅行者向けの観光ガイドを行う「トラベリエンス」(橋本直明社長、東京都台東区)は、浅草商店連合会と「訪日外国人旅行者の食満足度向上による商店街活性化プロジェクト」を展開している。2月24日には、浅草文化観光センターで「外国人観光客の食のトラブル防止勉強会」を開いた。今回は「ベジタリアンフードのメニューづくり」をテーマに、米国や英国、フランス、マレーシアなど世界の食の問題を熟知する精進料理家の藤井まり氏が登壇し、セミナーに出席した浅草商店街の飲食店オーナーらと外国人観光客を受け入れる飲食店のやるべきことなどについて、質疑応答を中心に意見交換を行った。
藤井氏は「フランスでは動物愛護の観点からベジタリアンが多い」「味噌汁が世界中で人気が高い」ことなどを紹介。さらに、ベジタリアンに対して「天ぷらでエビなどと同じ油で野菜を揚げることは可能か」との質問には、「できるだけベジタリアン用の別の小さな鍋で揚げた方がいい」などのアドバイスをした。
トラベリエンスの橋本社長は「ベジタリアンは米国では10%、英国も10%、台湾も10%、インドでは30%を占めるといわれている」と説明。そのうえで、宗教上や身体上、食の制限がある旅行者も旅先のレストランで食事をしたいが日本では情報も少なく、言葉も通じないことが多いので困っている旅行者が多いことなどを紹介した。
同プロジェクトは、「誰もが食を楽しめる浅草」を目指しており、昨年10月には「ハラルフード」(イスラム教の立法に則った食べ物)をテーマとした第1回勉強会を開いている。