NAA、貨物の発着数最高に 総発着数は62%減
2020年10月28日(水) 配信
成田国際空港(NAA、田村明比古社長)が10月22日(木)に発表した2020年度上期の発着回数は、前年同期比64%減の4万7986回だった。このうち、国際線貨物便の発着回数が同59%増の1万9510回と過去最高となった。旅客便で運べる貨物量が減り、需要が貨物便に集中したことで、発着回数が増えた。
国内線旅客便の発着回数は同65%減の1万57回。国際線旅客便の発着着回数は同85%減の1万4208回、総旅客数は同94%減の135万8474人、国際線旅客数が同97%減の51万5150人とそれぞれ、年度上期として過去最低を記録した。
同日に発表された9月の総発着回数は前年同月比62%減の8519回。総旅客数では同92%減の31万3603人と大幅に減少した。新型コロナウイルス感染拡大の影響で総旅客数は、4カ月続けて過去最低となった。
発着回数の内訳は、国際線旅客便が同84%減の2449回、国内線は60%減の1870回と大きく落ち込んだ。
旅客数では、国際線が同97%3300人。このうち、外国人旅客数は同97%減の4万1451人だった。国内線は、同68人。このうち、外国人旅客数は同97%減の4万1451人だった。国内線は、同68%減の21万303人となった。
田村社長は国際線の今後の需要について「21年度中は19年度ほどには戻らない」と予想した。
10月1(木)~17日(土)までの発着回数と旅客数も発表され、総発着回数は前年同期比88・5%減の1664回。国際線旅客数は同96・5%減の2万4400人。国内線発着回数は同53・8%減の1028回だった。
田村社長は「9月の同期より、発着回数と旅客数が増加した。旅客数は回復傾向にある」と強調した。
□国内線着陸料を無料に 「路線の維持はかる」
同社は、20年度の4月分から国内線定期旅客便の着陸料と停留料を全額減免する。国際線定期旅客便は小型機が1回の着陸につき3万円、中・大型機は1回7万円を割り引く。割引率は20~30%ほどになる。
対象期間は、旅客便の運航回数が19年と比較して50%を上回り、定期便の回復基調が見込まれるまで。
これによって、3月に開始した支援措置の総額は540億円になった。
田村社長は「航空会社に路線を維持してもらえるよう、決死の覚悟で臨む」と意気込みを述べた。