社員の満足度も大事、加賀屋・小田女将が語る(おもてなし研究会)
観光庁と日本観光振興協会は2月7日、東京都内で地域の観光協会などの現状や求められる役割について議論する「観光おもてなし研究会」を開いた。2回目となる同研究会では、「おもてなし」を理解するために、石川県和倉温泉の加賀屋の小田真弓女将を招き、小田女将が「お客様の満足度だけでなく社員の満足度も大事」など加賀屋流のおもてなしについて講演した。
小田女将は「お客様のニーズは多様化しており、これといった100点満点のおもてなしはない」と語り、顧客のニーズを読み取ることや、時代・年齢・国籍などにあわせたおもてなしをするために事前に勉強しておくことなどを述べた。また、「笑顔が出るような職場作りのためには、お客様の満足度だけでなく、社員の満足度も大事だ」など、社員への気配りがおもてなしにつながることも強調した。
講演についての意見交換で、新たに研究会のメンバーに加わった新潟観光カリスマでフリーバスガイドのなぐも友美氏が、顧客のニーズを読み取る難しさについて小田女将に質問。小田女将は利用客の動きやコミュニケーションのなかから顧客のニーズを探すことなどを挙げた。また臨機応変に即応することも強調した。同メンバーで日中コミュニケーション取締役の可越氏は小田女将の講演から「おもてなしとは、喜んでもらうためにいかに心を込めるかということではないか。文化や宗教が違っても一生懸命な姿が伝われば相手は感動してくれる」と意見を述べた。
同研究会委員長で首都大学東京都市環境学研究科観光科学域特任准教授の矢ケ崎紀子氏は総括として、「観光に携わる人自身がやりがいをもって仕事ができているか」など課題を挙げ、事業者の仕事に対する満足度や、利用客について勉強をすることの重要性を確認した。
3月はおもてなしの総論、4月はテーマを絞った討議を行っていく予定。同研究会の模様は第1回と同様に動画配信サイトのニコニコチャンネルで生中継された。