着地型旅行の紹介も、地域活性化へパネル議論
がんばる中小企業、フォーラム開く
中小企業基盤整備機構は3月3、4日、グランドプリンスホテル新高輪(東京都港区)で「がんばる中小企業・小規模事業者・商店街フォーラム」を開き、経済産業省中小企業庁が昨年12月に選定した「がんばる中小企業・小規模事業者300社」と「がんばる商店街30選」の表彰式や、選定事業者や商店街によるパネルディスカッションを行った。「地域活性化」のパネルディスカッションでは、愛知県丹羽郡にある旅行会社が、地元国宝犬山城城下町で実施する着地型旅行を紹介した。
地域活性化のテーマでは、明治大学政治経済学部の森下正教授をコーディネーターに、北海道札幌市で地域素材を活用した創作豆菓子を開発し、地域経済活性化に貢献する池田食品の池田光司代表と、群馬県佐波郡で中高年齢者や知的・身体障がい者などの社会的弱者の雇用創出を行う企業組合群馬中高年雇用福祉事業団の吉田英樹代表理事、愛知県丹羽郡の国宝犬山城城下町で地域観光資源を活用した着地型旅行を行うツアーステーションの加藤広明代表がパネリストとして登壇し、各社の事例を紹介した。
ツアーステーションは、着地型旅行を「お客様良し、地域良し、事業者良し」の持続可能な新しい概念の旅のスタイルとし、国宝犬山城や城下町、国指定無形民俗重要文化財の犬山祭り、からくりなど、有形・無形の資源を観光資源として磨き、地元の人とともに城下町文化再発見の着地型旅行を企画している。加藤代表は「地元の人が宝と思っていない宝が埋もれていることが多い。原石を磨き、それを地域活性化につなげるのが着地型旅行」と紹介。「私たちはあくまでプロデュースをするだけで、主役は地元の人たち。彼らが“語り部”として旅行客と向き合うことが着地型の魅力」と語った。
そのほか、「サービス・小売」「商店街」「ものづくり」をテーマにしたパネルディスカッションや、財部誠一経済ジャーナリストによる「勝ち残る会社の条件」と題した講演も行った。