Taste Local、家庭で宿の料理を コロナによる減収助ける
2020年11月7日(土) 配信
Taste Local(篠塚考哉社長、東京都目黒区)は今年4月に、宿泊施設や飲食店などが提供する料理を取り扱う通販サイトTaste Localをオープンした。「コロナ禍でも外食する気分を味わってもらい、宿泊事業者を支援したい」思いから開設した。旅行需要が回復している現在は、「新しい観光プロモーションとして活用してほしい」と共同創設者の受田宏基COOは意気込む。
同サイトは10月27日(火)現在、宿泊施設や飲食店、生産者約100社が提供する約230品を掲載している。宿と飲食店がそれぞれ40%、農家や漁師などの生産者が20%を占める。
最大の特徴は「調理済みの料理の、宿や飲食店に卸していた生産者の商品も取り扱っている」とアピールする。
具体的には、浜の湯(静岡県・東伊豆町)の「金目鯛姿煮」や、金谷ホテル(栃木県日光市)の「ビーフシチュー」などを掲載する。このほか、老舗割烹料理店「宇恵喜」(広島県大竹市)が同市で養殖したハマチを使用した「安芸の瀬戸内味覚セット」や、生産者が扱う品物として北海道産の「本ししゃも」なども載せている。利用客は簡単に調理するだけで、自宅で旅館・ホテルの味が楽しめるという。
料理をWebで販売することとなった経緯は「コロナ禍で旅行を諦める人がいるなかで、宿泊業界を支援したかった」と受田COOは話す。
さらに、事業を進めるなかで「新型コロナウイルスの影響を大きく受けている飲食店をはじめ、宿泊施設や飲食店などに卸す生産者の一助になりたかった」と語る。
旅行需要が回復傾向である現在では「(地域の観光産業に対して)新しい誘客プロモーションとしても活用してほしい」と強調する。
注文客には地域の特産品を家庭で味わってもらうことで、訪問意欲を掻き立てられるほか、注文した旅館にほかの料理を楽しむための来館につなげてもらう考え。
今後は、「配送の効率化」に着手する。現在は注文を受けた旅館がそれぞれ利用者に商品を送っている。このため、利用客は複数の施設から注文した場合、施設ごとに送料が掛かる。
Taste Localが倉庫を保有し、掲載する料理などを用意。倉庫から送付先だけの送料に済ませ、利用者の利便性向上をはかる。
このほか、「注文客のメッセージカードなども添えて送れる仕組みを構築したい」と語る。「想いを強く伝えたい人に、商品と合わせて送ってもらいたい」。
受田COOは「名物料理を通販サイトで販売し、コロナ禍で困っている方々に少しでも貢献したい。掲載を希望する宿泊施設をはじめ飲食店、生産者の方がいらっしゃれば声を掛けてほしい」と力を込める。