【特集No.569】CT・酒井博社長にインタビュー 強みは社員の「顧客接点」の多さ
2020年11月11日(水) 配信
クラブツーリズム(CT)の社長に歴代最年少の52歳で就任した酒井博社長。入社以降、国内旅行や海外旅行の企画造成、グループ会社での業務など豊富な経験を有し、常に現場の感覚を忘れない。年間2万ツアー以上の取り扱いがある同社では、添乗に出る社員たちの「顧客接点」の多さが武器だ。新たなターゲットの1つに「80歳台」を挙げ、旅行会社が未開拓の分野にも果敢に挑戦していく。さらに、自治体とのつながりや東京2020公式観戦ツアーなど、今後の方向性について話を聞いた。【入江 千恵子】
□未開拓の「80歳台」市場に挑む
――顧客の中心である団塊の世代が全員70代となり、高齢化している。今後のターゲットはどこに定めるか。
2つある。1つは「新・クラブ1000構想」のクラブ事業において、顧客の幅を広げていきたい。歴史、写真、鉄道、ハイキング、登山など、共通の趣味・趣向を持ったコミュニティをオンラインでつないでいく。有料会員を作ることも検討している。構想の実現に向け、プロジェクトチームも立ち上げた。
――もう1つは。
80歳台のお客様。安心して参加できる旅行商品の開発を進めている。これは、シニア層が得意分野な我われがやらなければいけない。現在64―75歳の会員がアクティブに活動している。だが、この先10年間は減少していく。違う世代をターゲットにする方法もあるが、いまは健康年齢が伸びていて、元気な方が多い。
80歳を超えると、旅を諦め、旅行会社側もターゲットとして見ないようにしている。だがこの分野は、レッドオーシャン(既存市場)でなく、ブルーオーシャン(未開拓市場)ではないだろうか。我われは介護事業も手掛け、長年、シニアビジネスに携わってきた強みがある。見よう見まねで運営できる分野ではない。
――80歳台のツアーを作るときに、気を配ることは何か。
ゆとりの行程、安全安心を徹底的に追求したもの。時間配分やお客様のケアなど、普段のツアーと異なる点が多い。例えば添乗員を2人にするなど、専門特化してやったほうが良い。
私たちは添乗に出て、80歳台のお客様を実際に見ている。かゆい所に手が届くようなポイントを熟知している社員が大勢いる。……
【全文は、本紙1815号または11月17日(火)以降、日経テレコン21でお読みいただけます。】