トラブルで見える真価
「クレームやトラブルのあったお客様が、その後の対応次第で、リピーターになることも多い」。先日、本社主催のイベント「もてなしの達人」の表彰式で、おもてなしの現場に立つ達人から聞いた言葉が、強く心に残った。
2014年3月11日。震災から丸3年が過ぎる。あの非日常の極みともいうべき状況のなか、各々がさまざまな環境で、多くのことを感じ、考えさせられた。この小欄の初回で書いたのだが、当時私は仕事で青森にいた。陸路が断絶され、キャンセル待ちの人で埋め尽くされた青森空港での、スタッフの心ある対応と、仕事に向かう真摯な姿勢には、思い出すと今でも頭が下がる。マニュアル通りが通用する日常よりも、トラブルやイレギュラー時にこそ、その人や企業の真価が問われるのかもしれない。日ごろからの弛まぬ訓練と、人や仕事にまっすぐ向き合う「心」に尽きる。
【伊集院 悟】