日光街道で広域連携、現地調査や商品検討実施(日光街道観光推進連絡会)
日光街道観光推進連絡会はこのほど、観光庁が募集した「将来的な商品化に向けた観光資源磨きのモデル調査業務」の事業として、広域連携をテーマにした「日光歴史街道江戸から近代日本への旅」を企画した。日光街道は、東京都・日本橋を起点に栃木県・日光まで結ぶ江戸時代の五街道のひとつ。同会はこれまで数回にわたる現地目利き調査と商品検討会議を行っており、3月11―12日には関係者を含めたモデルツアーを行った。
【丁田 徹也】
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同連絡会に所属するのは日本観光振興協会と日光街道起点の東京都中央区商工観光課、中央区観光協会、中継地点として埼玉県越谷市と越谷市観光協会、終着地点として日光市観光部と日光地区観光協会連合会と日光東照宮。さらに東武鉄道とクラブツーリズム(CT)、ソフトバンクテレコム(SBTM)が関連事業者として所属する。
モデルツアーではSBTMが開発中の日光ナビアプリ(5月リリース予定)を現地でテストをするなど、企業との連携を確認した。一方、各市区と観光協会は地域との連携でツアーをサポートした。また、目利きとして日本観光振興協会の総合調査研究所から丁野朗所長をはじめ、研究員らが同行した。
ツアー1日目は東京都中央区の日本橋にある街道起点からスタート。ビルの間にある街道跡を辿り、隣接する歴史遺産を見物した。越谷市に入ると「くわい饅頭」や「鴨ネギそば」など越谷の名産物を利用した料理を堪能しながらの街道ツアーとなった。日光到着後には活動報告会を実施し、これまでの活動を総括したほか、参加自治体の増強、ツアーの維持や管理、自立など今後の課題についても討議した。2日目は徳川家にテーマを絞り、東照宮や近隣の寺社で徳川家の歴史を追ったほか、日光山麓の造り酒屋など地場産業にも立ち寄った。
同事業は、旅行商品造成を手さぐりで行っている地域の現状に対して、国が将来的な商品化に向けた取り組みを実証し、商品化への方向性を示すための検証を行うというもの。3月13日には東京都内で、同事業の取り組み事例として日本観光振興協会総合調査研究所の研究調査部長・楡木慎一氏が登壇し、「新たな連携関係の構築による商品化の試み」と題し発表した。