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安全対策で価値上昇へ 知名度高め需要掘り起こす (シーライン東京 斉藤博章社長インタビュー)

2020年12月2日
営業部:後藤 文昭

2020年12月2日(水) 配信

斉藤博章社長

 食事とともに、日の出桟橋から、レインボーブリッジの下を通過し東京ゲートブリッジ、浦安沖、羽田空港を巡る「シンフォニークルーズ」。運航するシーライン東京(東京都港区)では、ジャズや怪談など、さまざまなテーマで企画クルーズも行っている。昨年10月1日付けでシーライン東京の社長に就任した斉藤博章氏に、コロナ禍での新市場獲得への取り組みや、サービスの均一化などの課題解消への動き、同社の未来像などを聞いた。

 ――社長就任2年目を迎えられました。就任からここまで新型コロナウイルス感染症対策に奔走され続けてきたことと思いますが、状況はいかがでしょうか。

 昨年10―12月は、若干の波はありましたが、翌年に期待が持てる業績で推移していました。しかし、年が明け新型コロナウイルスの影響が徐々に顕在化し、2月は業績にコロナの影響が色濃く出るようになりました。その後、3月からはキャンセルが相次ぎ、4、5月は緊急事態宣言が出たこともあり完全休業に近い状態になりました。6月に非常事態宣言が解除され営業は再開しましたが、売上は前年の8%程度でした。11月は、GoToキャンペーンに東京も追加され、個人、団体ともに潮目が変わり始めています。

 ――コロナ対策はどう進められていますか。

 コロナ対策を確実に行い、安心・安全を届けることは基本です。10月には、ノロウイルスなどに効く薬剤を「シンフォニー モデルナ」と「シンフォニー クラシカ」に散布することで、両船とも抗菌、抗ウイルスコーティングができました。

 こういった基本的なことを行うのは当然ですが、重要なのは、今できることを先んじて行うことです。安全対策のステージを1段階引き上げることが、シンフォニークルーズの価値の上昇につながるので、これからも着実に進めていきます。

 ――業績の回復をはかるうえでは、今まで以上に新たな市場の取り込みも重要な位置を占めています。

 新たなお客様として、「学生団体」の利用が増えてきています。これまでも地方の学校からのお問い合わせはありましたが、コロナ禍で学校行事が軒並み中止になるなか、東京を中心に首都圏の中学、高等学校の利用が増えています。

 ――学生市場という新たな市場を獲得するうえで意識したことは。

 これは就任してから常に思い続けていることですが、「シーライン東京」の認知度が、エンドユーザーと、旅行会社などのエージェント双方ともに低いと感じています。

 「学生団体」も、我われが旅行会社や学校側に提案し、利用につながることが多かったです。

 情報発信は、紙媒体やWebなど、年齢ごとに多角的にさまざまな媒体を組み合わせ、効果的に行わなければならないと考えています。

 例えば、ある人気ユーチューバーにPRを依頼したところ、1週間で約15万視聴回数という成果が出ました。「いい映像が撮れる」とドラマなどの監督の方には評価をいただき、ドラマのロケ地としても活用いただいています。これからはSNS(交流サイト)などもさらに積極的に活用し、知名度を高め、需要を掘り起こしていきたいですね。

 ――シーライン東京では、サービスの均一化やハラル対応などにも取り組んでいます。 

  長く課題となっていたサービスの均一化やハラル対応などに関しては、改善に向けたプロジェクトチームを立ち上げ動き始めていました。しかし、こういった問題は、通常業務のなかで検証しながら進めることがカギになるため、コロナ禍で動きに制限がかけられています。

 一方最近は、サービスの多様化も求められています。ニーズが多様化するなかで、画一的なサービスにプラスアルファしたサービスの提供も求められているので、社員が自分で考え、行動していく環境も整備もしていきたいです。

 ――未来のシーライン東京に関しては。

  我われの船が出る、日の出桟橋付近では、芝浦一丁目計画(仮称)が進んでいます。約10年の期間をかけ、オフィスやホテル、住宅、商業施設などからなる大規模複合施設の整備を段階的に行うもので、観光とビジネスの一大拠点になるようです。

 このように変わり続ける湾岸エリアに対し、地域と連携をはかり、発展に微力ながらも協力することが、シーライン東京の発展にもつながると思うので、その時代、時代にそぐうかたちで、観光面で連携をはかっていきたいです。

 ――ありがとうございました。

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