ユニバーサルマースの開発へ 誰もが快適に移動を楽しめるよう実証進める
2020年12月3日(木) 配信
全日本空輸(ANA)と、京浜急行電鉄、神奈川県横須賀市、横浜国立大学の4者は、障害者や高齢者など何らかの理由で移動にためらいのある人が快適に移動を楽しめるサービス、「Universal MaaS」の開発を進めている。
12月1日(火)から2021年2月28日(日)まで、バリアフリー情報の提供などを行うWheeLogが実施する街歩きイベントで車イスユーザーらにアプリを使用してもらい、機能検証などを行う。
コロナ禍で移動のカタチが変化している現状を踏まえ、まずは車イスユーザー向けに今年度中にアプリを実装。その後、サービス対象を拡大。利用エリアは現在検討中だが、ANA就航地から羽田空港に入り、京急で横須賀に移動し、市内を巡る想定でアプリの構築を進めている。
Universal MaaSは、移動躊躇層(何らかの理由で移動にためらいのある人)が快適に移動を楽しめるサービス。出発地から目的地までの移動に必要な運賃やルート、スポット情報を移動者側に提供するとともに、移動者自身の位置情報や希望する解介助内容などを各事業者側に共有することで、シームレスな移動の実現を目指している。
ユーザーが使用する「ユニバーサルお出かけアプリ」では、自分の特性に合ったルートを事前に選択、保存することができる。この際、サポートの手配も事前に行え、自身の属性や現在位置などをサービス提供者と共有することで、外出中も安心して移動ができるようにする。
現在開発中のサービス提供者側用アプリ「ユニバーサルサポートアプリ」では、サポート希望内容や旅程、位置情報などを、利用者の許諾のうえで確認できる。利用者が空港や駅、施設などに接近した際に通知が受けられるので、業務改善やサービス品質の向上などがはかれるという。
12月1日に行われた実証実験では、WheeLogのメンバーがどぶ板通りを散策しながら同アプリを利用した。岩城一美氏は、「WheeLogのバリアフリーマップにある車イスでの走行ログや利用した施設の感想などを見て、いろいろな場所に出かけます。そのため、アプリがあれば、移動は苦になりません。一方で、自分ではどうすることもできない段差情報は欲しい情報の1つです」と感想を語った。