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福島県会津高校の若き剣士たち

2014年4月7日
編集部

 戊辰戦争で亡くなった会津藩の戦死者を慰霊し、鎮魂している(公財)会津弔霊義会(芳賀公平理事長)は毎年4月24日と9月24日の午前10時30分から、福島県会津若松市にある飯盛山の白虎隊士の墓前で春季・秋季祭典を行っています。

 例年、弔霊義会や白虎隊士の遺族、関係者など約100人が参列し、玉ぐし奉典などの神事が行われます。厳しゅくな祭典の最後を飾るのが、130年の歴史を誇る会津高校の剣舞委員会の生徒20人による「剣舞奉納」です。

 墓前にさっそうと現れた20人の生徒のうち1人が白虎隊の詩吟を吟じ、合わせて残りの19人が勇壮に剣舞を行います。時間にして約7分ですが、彼らの剣舞が終わると、墓前祭に来ていた大勢の人々や訪れていた修学旅行生らがおしみない拍手を送ります。

 ところで、何故会津高校の生徒がこの白虎隊の墓前で、剣舞を行うようになったのか。その歴史は、1884(明治17年)までさかのぼります。この年は白虎隊の隊士が自刀してから17回忌に当たり、当時の日新館の生徒が隊士の慰霊と鎮魂を込めて剣舞を行いました。その伝統は旧会津中学校に引き継がれ、さらに会津高校の生徒が今も面々と続けています。

 柔道着にはかま姿の若い生徒が、日ごろの練習の成果を誇らしげに発表します。女性を含む約40人の生徒は、毎日、詩吟に合わせて剣舞を練習していて、この墓前祭を初め、学園祭では女性も参加して全員で舞います。

 OBが日ごろから剣舞の指導をしていることから、そのレベルも高く、かつては市内の幼稚園、小学校、中学校に「少年白虎隊」があり、大勢の子どもたちが日ごろから剣舞を練習していて、それぞれの学校の運動会などで披露していました。

 カッコいいので、会津高校に入ったら、自分の子供に「ぜひ剣舞委員会に入って」と要望する生徒の親も多く、3代にわたって剣舞委員会に所属した親子もいるそうです。高校のクラブ活動は、普通クラブといいますが、歴史があるので、会津高校ではこの剣舞の活動は、応援団、HR運営委員会、図書委員会と同じ委員会になっています。

 同年代の若き隊士の遺霊と後進子弟の鼓舞のため、心を込めて真摯に舞う高校生の剣士たちに賛辞の拍手を送りたい。

写真提供:会高剣舞会
写真提供:会高剣舞会

寄稿=旅行ライター&エディター 三堀裕雄

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