NAA、再拡大で1月の発着・旅客数減少に転じる 総旅客数は過去最低に
2020年3月1日(月) 配信
成田国際空港(NAA、田村明比古社長)が2月26日(金)に発表した2020年1月の総発着回数は、前年同月比58%減の9518回と、回復傾向だった昨年12月の同48%よりも減少幅は拡大した。総旅客数も同93%減の27万1286人と過去最低となった。日本国内の新型コロナウイルスの再拡大による緊急事態宣言の発令などが主な要因。
国内線の発着回数は67%減の1580回。旅客数も同78%減の13万7779人と、いずれも昨年12月よりも減少幅が広がった。
一方、国際線貨物便の発着回数は同138%増の4028回で、貨物量は32%増の19万2277㌧と過去最高だった。旅客便の減便で運べる貨物量が減り、需要が貨物便に代替した。このほか、コロナ禍での通販需要の拡大で海上貨物コンテナが不足していることが原因。
同日に発表された2月1(月)~20日(土)までの国際線発着回数は前年同期比76・8%減の2170回。出国旅客数は同96・8%減の2万4300人。
国内線の発着回数は同86・0%減の417回だった。
田村社長は「1~2月の発着・旅客数は顕著に落ちた。緊急事態宣言が解除されれば回復する」との認識を示した。
□減免措置など延長 総額756億円規模に
同社は今年4月分までとしていた着陸料やカウンター使用料、店舗のテナント料などの減免・猶予措置を10月分まで延長する。今回の措置では約250億円規模の措置を行う。4月から実施してきた同措置は累計756億円になった。
新型コロナウイルス感染症による日本をはじめとした世界各国の入国制限が続くなか、航空会社などの業績回復には時間が掛かると予測した。
田村社長は「痛みを分かち合い、路線と店舗の維持に決死の思いで臨む。共にコロナ禍を乗り越えたい」と力を込めた。