インバウンド検定を開始へ TCSAが総会開き三橋会長が再任
2021年3月25日(木) 配信
日本添乗サービス協会(TCSA、三橋滋子会長、39会員)は3月24日(水)、東京都内で2021年度通常総会を開き、新年度は、新型コロナウイルスの影響で延期されていた「TCSAインバウンド検定」を開始することなどを確認した。また、任期満了に伴う役員改選では三橋会長が再任した。
インバウンド検定は初級、中級、上級の3つのレベルに分かれているが、21年度は6月14日(月)に初級検定のみ実施し、広く受験者を募って検定の認知度向上をはかる。22年度は中級と上級も実施する予定。初級は業務経験がなくても受験可能なため、学生などの受験も想定する。将来的には1千人規模の検定を目指すが、初回は150~200人程度の会場設定で行う。
総会後に開いた会見で三橋会長は、コロナ禍の1年について、会員会社は事業と添乗員の維持に終始した1年だったと振り返った。「会員会社にとってはベテランの優れた添乗員が離職してしまうことが最も困る。旅行会社も今は観光旅行の9割方を派遣型添乗員でまかなっている状況で、需要が回復した際に旅行そのものの催行が難しくなる」と懸念した。
協会としては厚生労働省へ要請を行い、当初は雇用調整助成金の適用外だった添乗業務について特例措置の認可を受けた。また、適用後も周知されていないハローワークへ対応を求めるなど、奔走したことを報告した。
現況、会員会社は添乗以外のさまざまな業務にスタッフを派遣し、事業存続をはかっている。横尾治彦専務理事は、「ほかの業種を経験したことで勉強になったという前向きな声もある」と紹介。「協会は仕事を取ってくることはできないが、引き続き他団体とも連携し、業界として助成金などの働きかけを行っていきたい」と述べた。