NAA、緊急宣言で大幅減 貨物便は約100%増と最高
2021年3月30日(火) 配信
成田国際空港(NAA、田村明比古社長)が3月25日(金)に発表した2021年2月の総発着回数は、前年同月比61%減の7625回と大幅に減少した。総旅客数は同95%減の15万1934人と過去最低だった。日本国内の新型コロナウイルスの再拡大による緊急事態宣言の発令などが主な要因。
国際線旅客便の発着回数は同76%減の3106回。旅客数は同96%減の8万566人。
一方、国際線貨物便の発着回数は同108%増の3611回で、貨物量は同24%増の18万7105㌧と過去最高だった。とくにプラスチック製品や自動車部品などが好調となった。
旅客便の減便で運べる貨物量が減り、貨物臨時便が多数運航された。このほか、コロナ禍での通販需要の拡大で海上貨物コンテナが不足していることも影響した。
同日に発表された3月1~20日までの国内線発着回数は前年同期比72・6%減の795回だった。
田村社長は「緊急事態宣言の解除を見越して、早めに便数を回復させた」と説明した。
□書類の提示1回に 接触減で感染防止も
NAAは4月13日(火)から、パスポートと搭乗券などの提示が1回で済むFace Expressの実証実験をスタートする。
同システムは航空機への搭乗者が所定の手続きで顔写真を登録すると、チェックインや保安検査、搭乗ゲートなどで提示することなく通過できる。
参加航空会社は全日本空輸(ANA)と日本航空(JAL)。今後、順次拡大する予定だ。
実証実験では21年7月の本格運用に向けて、運用手順や細かな調整を進める。
田村社長は「コロナ禍では、接触削減による感染防止対策にもなる」と効果をアピールした。