「WeChat」を活用した中国向け越境EC・観光情報発信 取り組み本格化へ ACD×境港市観光協会
2021年4月13日(火)配信
ANAグループの物流ノウハウとデジタル技術を生かして日本の商品を世界に発信するACD(古居弘道社長、東京都江東区)はこのほど、鳥取県の境港市観光協会(結城豊弘会長)と連携し、約12億人が利用する中国最大のSNS「WeChat(ウィーチャット)」を通じた観光情報の発信や名産品の販売を本格的に展開する。
グレートファイヤーウォールと呼ばれるネット検閲システムがある中国国内からは、日本のSNSやWebサイトの情報を閲覧することが困難で、従来は現地の企業を通じて数百万円規模のシステム投資費用などが必要だった。そこでACDは中国大手IT企業のテンセントやアリババ社と提携し、「WeChat」内で、商品・サービスの販売促進から注文管理まで行える日本初のプラットフォーム「WeSearch」を開発。日本企業・自治体向けに提供している。
一方、「水木しげるロード」を抱える境港市は、年間300万人以上(2019年度)の観光客が訪れる人気の観光スポットだ。だが新型コロナウィルスの影響で米子空港を発着する国際線が欠航となり、また境港への大型クルーズ船の寄港もなくなるなど、海外からの客足が激減。2020年度の観光客数は100万人を割った。地元経済への危機感を覚えた同協会がコロナ禍でのPR策を模索するなか、ACDのサービスを活用し新たな取り組みを本格化させる。
今後、ACDと境港市観光協会は連携して観光サイトの構築、ショートムービーやライブ配信による観光の促進、市の名産品の販売に継続的に行う。中国国内での境港市ファンを増やし、特産品を売り込むとともに、アフターコロナの将来的な誘客につなげる狙いだ。
ACDと連携した同様の取り組みは山形県や一部企業でも始まっていて、境港市をモデルケースとして鳥取・島根両県でも今年度、幅広く展開していく。