ジョルダン、顔認証で乗車を実現 公共交通や施設の利用に
2021年5月14日(金)配信
MaaSビジネスを展開するジョルダン(佐藤俊和社長、東京都新宿区)は4月1日(土)から、自治体や公共交通事業者向けに提供してきたクラウドサービスの新バージョン「Jorudan Style3.1」の提供を始めた。これにより、今回追加した顔認証やポイント機能などを活用して、乗り物への乗車や施設への入退出を実現できるサービスを提供できるようにした。
「Jorudan Style3.1」は、バスや鉄道などの公共交通への乗車をはじめ、各種施設への入退出や、そこに至るまでの検索・予約・決済をワンストップで実現できるようにしたサービスだ。既に、40を超える自治体や公共交通事業者での導入実績を有している。
追加された顔認証技術は、バスなどの乗車口に設置した端末と連携し、顔を照合することで手ぶらでの乗車・決済を可能にする。利用者は事前に顔の情報を登録する必要があるが、登録するのは顔の特徴点データを数値化したもの。照合はモバイル通信によるデータ照合で瞬時に済むうえ、特徴点を照合しているためマスク着用でも認識できる。ただし、その場合は顔の認識判断が通常より緩くなるため、顔の特徴が似ている双子などは正確に認識できるように、一時的にマスクを外すことを要望するという。
加えて、ポイントの発行・運営する事業者向けのプラットフォームを導入。ポイントをクレジットカードで購入し、チケットなどの利用や、他社ポイントサービスやキャッシュレスサービスと交換できるようになった。
東寺浩執行役員企画営業本部長は4月27日(火)の会見で、自治体では「最近コロナ禍でスタンプラリーが非常に流行っている。イベント開催ができないためさまざまなモデルがつくられ、地方での回遊の一助となっている」と紹介。同サービスを利用した自治体アプリであれば、非接触によるスタンプラリー機能が使えるうえ、新バージョンでは、貯めたポイントを他社のポイントサービスに交換できる。「今回キャッシュレス機能がつながり、さらに利便性が高まる」と語った。
□顔認証はバスで実験中、今夏に鉄道で実証実験
既に、千葉県佐倉市のニュータウン「ユーカリが丘」で、顔認証技術と連携したバスによる実証実験に採用されている。実証実験期間は5月10日(月)~6月30日(水)予定で、モニター数は約100人。また、今年夏ごろには、同エリア内を走行する新交通システム「山万ユーカリが丘線」の改札に、顔認証で決済する実証実験を開始する予定だ。
そのほか、地方自治体や交通事業者、各種施設への導入、さらには、MaaSやスマートシティの構築・実現に参画、貢献する予定だ。ジョルダンでは、2021年度の同サービスの本格提供に伴い、さらに多くの導入を目指すという。