長崎県島原市などロケツーリズムで成果を蓄積する5地域 多様な資源を磨き上げ、新たな観光コンテンツの開発に挑戦
2021年6月15日(火) 配信
観光庁はこのほど、「地域の観光資源の磨き上げを通じた域内連携促進に向けた実証事業(第一次)」の支援対象事業を選定した。
選定された 243事業のなかには、長崎県島原市などロケツーリズムで着実に成果を蓄積する5地域も名を連ねる。それぞれの地域が持つ多様な資源を磨き上げ、新たな観光コンテンツの開発に挑戦。コンテンツ開発には、ロケ地情報の発信に加え、地域活性化の実績もある地域活性プランニングがプロデュースする。
長崎県島原市は雲仙・普賢岳の大火砕流から30年を迎えるにあたり、災害後に生まれた若い世代の事業者も一体となり、「火山の脅威と恵み」を体感型のコンテンツとして整備する。目指すのは、「災害遺構」と島原半島ユネスコ世界ジオパークの恵みである「湧水」、「食」、「風景」の連携による、「火山を生かした島原ならではのまちづくり」。立ち入り禁止区域を歩く災害遺構でのトレッキングなどを計画している。
千葉県茂原市は市内で多く産出する「天然ガス」を切り口に「産業観光」を考案する。市民向けに年2回実施している工場見学を観光誘客コンテンツとして発展させる計画で、2月にはモニターツアーの実施も予定している。
町内に寝具メーカーエアウィーヴの工場がある愛知県・幸田町は、「快眠」をテーマに、「食」も絡めたウェルネスツーリズムを造成する。
高級旅館が多い湯河原町は、20~30代の女性の取り込みへ、「癒し」をテーマに新ブランド「週末のご褒美旅」を構築。情報バラエティ番組に紹介されたスポットなどを組み込んだ、町内周遊プランも提案する。
長野県千曲市は、Z世代をレトロな雰囲気が残る戸倉上山田温泉街へ誘う仕掛けを生み出す。実施主体を担う信州千曲観光局では女性2~4人のグループを想定し、ツアーを造成。訪れた人にSNS(交流サイト)を通じ、魅力を発信してもらうことも狙いだ。
観光庁は実証事業を通じ、観光関連事業者や地方公共団体などが連携し、自然や歴史・文化など地域ならではの観光資源を磨き上げる取り組みを支援。新型コロナウイルス感染症により落ち込んだ観光需要や、地域経済の活性化に向けた域内連携促進の方向性を検証する。