クラツーと東北大学、旅行と認知症リスク低下の可能性を確認
2021年7月15日(木) 配信
クラブツーリズム(酒井博社長)と東北大学(大野英男総長)は7月13日(火)、「旅行が認知症予防にもたらす効果」について行った共同研究で、一定の条件下の旅行における認知症リスク低下の可能性を確認したと発表した。旅行頻度が高まるほど、認知症リスクの低減効果がある「主観的幸福度」が高まる傾向があり、旅行が認知症リスクの低下に影響がある可能性を示唆した。
調査・研究は、クラブツーリズムと東北大学加齢医学研究所が連携し、医学的見地に基づき進めてきた。クラブツーリズムのツアーに参加履歴がある60歳前後の顧客835人を対象にアンケート調査を実施。データを解析したところ、物事に幅広く関心を持つ性格の人は、旅行に行くほど主観的幸福感が高いことから、旅行が主観的幸福感を通じた認知症予防に効果的である可能性が期待できるとの結果を導き出した。なお、主観的幸福度は、認知症リスクを低減させる効果があることが先行研究において証明されているという。
一方で、自分の関心事を深く追求したい性格の人は、物見遊山の旅行では幸福感は高まらず、ストレスを感じてしまう可能性も示唆され、旅行による認知症予防効果の立証に当たっては、人の性格や旅行タイプを考慮したさらなる調査が必要であると結んだ。
指導にあたった同研究の瀧靖之教授は「個々人の興味関心や性格特性に応じた脳の健康維持活動を検討するうえで、旅行という選択も大きな可能性を秘めていることが明らかになったと考える」とコメントした。