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津田令子の「味のある街」「蜂の子パイ饅頭」――あづみ野食品(長野県安曇野市)

2021年8月14日(土) 配信

あづみ野食品の「蜂の子パイ饅頭」1箱520円(税込)

 
 「『イナゴや、蜂の子の粉末を入れた観光土産にもなる菓子を』との思いから、松本大学健康栄養学科の矢内和博准教授の研究室とコラボして企画販売することができました」と語るのは、あづみ野食品営業部次長の小林享之(みちゆき)さん。昨年12月18日の販売開始以来、長野県に古くから根付いている昆虫食文化の地ならではの商品ということで人気も上々だ。聞けば、世界的な食糧問題もあって信州伝統の昆虫食に着目し「イナゴおかき」「蜂の子パイ饅頭」はどうだろうという発想から企画、販売につながったという。

 
 今回は、五角形のパッケージもかわいい「蜂の子パイ饅頭」を紹介しよう。ネーミングに、ずばり、蜂の子とついているのでインパクトが強い。そのインパクトを和らげているのが、洗練されたパッケージだ。開けてみると直径5㌢の、ほどよく焼き色のついたころっとしたお饅頭が4個行儀よく並んでいる。

 
 外見からは、蜂の子が入っているなんて思いもしない。長野道みどり湖パーキングエリア(PA)など県内を中心に、サービスエリアやPA15カ所で販売されており、安曇野土産として入手しやすい。「蜂の子が入っている!!」驚きと、話題性に加え美味しさと、コンパクトで軽いので観光土産に持って来いなのだ。さらに、イナゴや蜂の子には、タンパク質やビタミンB2、葉酸が含まれているという。

 
 小林さんは「昆虫食は観光資源。今回の菓子を契機に長野県の昆虫食文化を広めたい」と話す。「美味しいだけではなく、栄養価なども知ってもらえたらうれしいですね」とおっしゃる。イナゴおかきは40㌘入り、蜂の子パイ饅頭は4個入り。

 
 この夏、安曇野では水田をキャンバスに見立て色の異なる稲を使って巨大な絵や文字を描き出す田んぼアートでにぎわっている。6300平方㍍の水田に植えられた「長野県出身の力士・御嶽海」をモチーフにしたもので、6㍍余りの高さの観覧展望台から、美しく、迫力のある安曇野ならではの風景に出会える。帰りに「蜂の子パイ饅頭」を買って来ようっと。

 

(トラベルキャスター)

 

 

津田 令子 氏

 社団法人日本観光協会旅番組室長を経てフリーの旅行ジャーナリストに。全国約3000カ所を旅する経験から、旅の楽しさを伝えるトラベルキャスターとしてテレビ・ラジオなどに出演する。観光大使や市町村などのアドバイザー、カルチャースクールの講師も務める。NPO法人ふるさとオンリーワンのまち理事長。著書多数。

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