田川氏、会長に就任 副会長は3人体制(JATA)
日本旅行業協会(JATA、菊間潤吾会長、1123会員)は6月18日、東京都千代田区の経団連会館で2014年度の通常総会を開き、任期満了にともなう役員改選で、副会長の田川博己氏(JTB社長)が会長に就任した。菊間会長は副会長に就いた。副会長は3人体制に変更。菊間氏、吉川勝久氏(KNT―CTホールディングス会長)のほか、日本旅行社長の丸尾和明氏が加わった。
田川新会長は「観光立国実現には、海外、国内、訪日の3つの事業分野が三位一体で発展することが必要不可欠。この3分野をカバーし、推進できるのはJATA以外にない」とし、「日本のブランド力の向上を通じ、観光立国ではなく『観光大国』の実現に向けて、積極的にリーダーシップを発揮していきたい」と就任の意気込みを語った。
旅行業界が抱える諸問題については、昨年発表した政策検討特別委員会の中間答申の内容を着実に実行し、大きな変革に的確に対応していくことを強調。「IT技術の進化はグローバルな取引と、一般消費者が取捨選択に困るほどの情報の提示を可能にしたが、私たちは異なる文化の交流における実体験の大切さや、お客様の求めるものを経験的に知っている。この経験則と知見を大切にし、旅行業の価値創造に向けた活動に積極的に取り組みたい」とした。
また、菊間会長は「異例の人事で驚かれたかもしれない」と前置きしたうえで、会長交代の理由について「2年間、副会長と3人でスクラムを組んで協会運営にあたってきた。この間、JATAの国際的なプレゼンスや国、経済界あげての観光への期待が高まり、JATAの役割は飛躍的に大きなものになった。JATAの会長は国内、訪日の会合でも座長などを求められることが多く、東京五輪も決定し、今後はその方向性がますます強くなるなかで、会長はトータルで見識が高い田川氏が務め、吉川氏が国内、丸尾新副会長は訪日、私は海外に専念するのが一番いいだろうと決断した」と各副会長の役割を含めて説明した。
新体制のもと、今年度は「価値創造産業への挑戦」に取り組む。2016年度までの目標を達成するため、14年度の基本方針として8項目を設定。旅行業法の改善など環境整備や危機管理への取り組み、オールジャパンでのツーリズムEXPOジャパンの推進などを展開する。