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「東京五輪」見据え観光振興へ、観光立国実現に向けたアクション・プログラム2014

2014年7月1日
編集部

外客への情報提供拠点として、「道の駅」「郵便局」「コンビニ」活用

 訪日外国人旅行者2千万人を目指す施策を取りまとめた「観光立国実現に向けたアクション・プログラム2014」が6月17日、観光立国推進閣僚会議(主宰・安倍晋三首相)で決定。観光庁の久保成人長官は19日の会見で、今後東京オリンピック開催などで外国人観光客の増加を見据え、情報提供拠点として「道の駅や郵便局、コンビニなどを活用していく」とし、さらに、インドネシアのビザ免除とフィリピン、ベトナム向けの実質ビザ免除についても「できる限り早急に実施にこぎつけたい」と語った。
【増田 剛】

 同アクション・プログラムは、昨年6月に(1)インバウンドの飛躍的な拡大に向けた取り組み(2)ビザ要件の緩和など訪日旅行の容易化(3)外国人旅行者の受入環境整備(4)MICEの誘致・開催促進と外国人ビジネス客の取り組み――の4本の柱が策定されたが、今回は新たに「2020年の東京オリンピック・パラリンピックを見据えた観光振興」と、「世界に通用する魅力ある観光地域づくり」の2本の柱を追加し、6本柱で推進していく。五輪開催により、今後日本の注目度が高まるので、ロンドン大会などを参考にしながら、五輪を生かしたプロモーションを強化する。

 このなかで、「観光案内拠点・観光ガイドの充実」では、観光協会や外国人観光案内所などと連携しながら、郵便局やコンビニエンスストア、道の駅などで外国人旅行者への観光情報提供や、多言語対応、無料公衆無線LAN環境の整備を行う。

 また、地方ではこれら施設における地域の名産品などの産直海外発送も促進していく考えだ。

 外国人旅行者の受入環境整備では、日本への入国を円滑に行えるように、税関・出入国管理・検疫(CIQ)に係る予算や定員の充実をはかる。久保長官は「とくに地方空港で待ち時間が長期化しているところもあり緊急の対策を行う。人員を含め、玄関口での印象悪化を回避したい」としている。16年度までに空港での入国審査に要する最長時間を20分以下に短縮することを目指す。

 さらに、免税店については、10月から免税の対象が全品目になることも踏まえ、「東京や大阪など大都市だけではなく、免税店の拡大を全国で積極的にやっていきたい。現在の5千店規模から、2020年には倍増の1万店規模にしていきたい」と述べた。

 魅力ある観光地域づくりでは、引き続き広域連携の強化と情報発信に取り組み、「東京、富士山、関西の人気ルート以外の新たな広域ルートを意識的に開発提供していく」と強調した。

 インバウンドの新たな取り組みでは、今後成長の見込める中国は、北京、上海、広州以外の沿岸部や内陸部、そのほか東南アジアなどへのプロモーション強化を行っていく。

 久保長官は「観光庁としては、各省庁、民間事業者とも連携して、できるものからただちに実行に移したい」とし、「アクション・プログラムについては「安倍首相からしっかりフォローを求められており、進捗状況の点検、評価をきちんとしながら毎年見直していく」と語った。

旅館業法の特例
いいかたちにしたい

 さらに、外国人旅行者の多様な滞在ニーズに応えるため、古民家や町屋の再生や、「農林漁業体験民宿や国家戦略特区制度を活用した滞在施設の利用促進」、宿泊需要が一時的に逼迫する場合の対応として既存の宿泊施設以外の施設の活用を検討することに、一部の旅館業者から疑問の声があることを受けて、久保長官は「特区についてはさまざまな意見があったが、一定の調和が保てる範囲で旅館業法の特例を認めさせていただいた」とし、「これからスタートする話なので、どういうかたちになっていくか、結果としていいかたちになるように注視していきたい」と語った。

 そのほか、国際観光ホテル整備法の6条では、省令で「洋式の朝食が提供できること」との要件が求められているが、現下の状況では、宿泊客もサービスも多様化しており、「必要な要件ではなくなっていると判断し、削除することになった」と述べ、6月20日の官報に改正省令が公示され、同日施行された。

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