国内線へ再参入、楽天も18%出資(エアアジア・ジャパン)
エアアジア(トニー・フェルナンデスグループCEO)はこのほど、日本国内線再参入を決め、7月1日に日本でのLCC事業を運営する新会社エアアジア・ジャパン(小田切義憲社長)を設立した。同社には楽天(三木谷浩史会長兼社長)も18%出資。来夏の就航を目指す。
同日の会見でフェルナンデスグループCEOは、「エアアジア・ジャパンの第2幕が楽しみ。ANAはとても素晴らしい会社だが、やりたいことや考え方が異なった」と旧エアアジア・ジャパンについて語り、「日本は素晴らしい国。同じ考えを持った(出資会社の)人たちと手を組み、日本とアジアを近づけたい」と意気込みを語った。
資本金は70億円。出資比率の内訳は、エアアジア49%、オクターヴ・ジャパン・インフラストラクチャーファンド合同会社19%、楽天18%、ノエビアホールディングス9%、アルペン5%。社長には全日本空輸(ANA)出身で、旧エアアジア・ジャパン元代表の小田切義憲氏が就任した。
小田切社長によると、就航開始は15年の夏ダイヤを予定。国内線から始め、順次国際線を展開していくという。当初はエアアジアグループ内でリースする機体2体で就航し、15年中に4機に拡大する予定だ。ハブ空港に関して一部報道で名古屋との情報が流れたが「一時的な登記の関係で名古屋になった」と説明し、「現在調整中」と留めた。「最初は東京以外での事業展開となるが、東京は絶対に外せない」と、拡大する羽田空港の発着枠が確保でき次第、羽田へ就航する。「まずは幹線で収益体制を確立する」としたが、その後は潜在需要を狙い、就航の少ない地方空港への就航を掲げ、フェルナンデスグループCEOからは茨城空港の名も挙がった。
LCC業界の懸案事項のパイロット不足については、「国土交通省の有識者会議と連携し、養成にも力を入れる」が、足りない部分はグループ内で補完していくという。
18%の出資を行った楽天の三木谷会長兼社長は、「チケットの販売だけでなく、機内エンターテイメントやショッピングなどシナジー効果が期待できる」と語った。
なお、機体デザインは写真家で映画監督の蜷川実花氏が手掛ける。