業界の地位向上を、マーケット変化へ対応
JATA・田川博己新会長 会見
6月の総会で日本旅行業協会(JATA)の会長に就任した田川博己新会長は7月2日、会見を開き、業界が抱える課題への対応などについて考えを述べた。田川会長は2年間、副会長として取り組んできたことを踏まえ、「中小や地方の会社の声を十分に聞き、とくに激動するマーケットの変化に迅速に対応して、旅行業界全体の底上げと地位向上に取り組んでいきたい」と意気込んだ。
冒頭、国内のツーリズム産業の雇用は6・2%と世界基準の8―9%に比べ低いことをあげ、「これからの日本の発展のなかでツーリズム産業に就く人を増やしていきたい」と語った。また、「裾野が広い産業だが、最近はビジネスパートナーとして多種多様な産業との連携が行われており、そこから新しい価値やサービスが生まれている。その段階で旅行業の果たす役割が大きくなっており、そのなかでも、JATAの役割は大きい」と今後の方向性の大枠を述べた。
そのうえで、旅行業が抱える課題とそれに対する施策について言及。市場変化への対応は、規制緩和に限らず、環境整備に向けて、何が必要なのかを検討する。また、産業間の競争を勝ち抜くためにも優秀な人材の確保と育成に向けた取り組みを加速する。今夏は、100人を超える学生のインターンシップを受け入れる。「観光系学部が増えたが、実務的な授業が多く、産業全体の意義が十分に伝えられていない。その役割を担い、JATAの人材でできることを組織的に行いたい」。
地域経済の活性化に向けてはJATAの本部と支部の連携強化もはかる。とくに、都道府県別の地区の活動を重要視。「JATAと各県の知事との関係づくりをしていきたい」とした。
このほか、休暇制度など需要創造につながる提言や、観光大国に向けたツーウェイツーリズムの推進、ツーリズムEXPOジャパンなどを注力すべき項目として挙げた。