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旅先では空白の時間を

2014年7月11日
編集部

 まとまった休みが取れる夏は長距離旅行に行くように意識している。慌ただしくならないよう計画しているつもりでも、結局は時間に追われてしまう。帰りの飛行機の本当にギリギリで空港に滑り込んだこともあった。

 昨夏は北海道を巡り、復路の旭川空港へは余裕を持って到着できそうだった。レンタカーの助手席で旅の終わりを憂いていると、目に飛び込んできたのは「三浦綾子記念文学館」の文字。思わず「寄って!」と叫んでいた。文学少女だったわけではないが、高校生のころ読んだ「塩狩峠」と「氷点」は私の心を大きく揺さぶった。その衝撃が一気に蘇ったのだ。文学館では作者の人となりや作品の背景となる自然が垣間見られて、北海道の旅の最後の最後にとても満足した気持ちになれた。

 旅先での思わぬ出会い。これこそ旅の醍醐味だろう。今年の旅も空白の時間を作りたい。

【飯塚 小牧】

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